私は現在53歳、父はだいぶん前に他界し、母は現在95歳です。
もうだいぶん前からまだらボケです。
同居しています。
妻もいますので、嫁姑の中もあります。
ボケているので、ものが無くなると何も考えずにすぐに嫁の仕業ということになります。
様々な苦労と、悩みながらも常に最善と思える方法を模索しています。
結論から言うと、ケアマネージャーさんとうまく付き合うということにつきます。
そんな介護について皆さんの参考になればと書いてみました。
母のボケはじめ
私は父を18歳の時に亡くし、母と2人暮らしでした。
30歳で結婚し、同居しました。
嫁姑の仲
長く母と2人暮らしだったためか、同居しだすとすぐに”嫁いびり”が始まりました。
「息子を取られた」という思いが強かったのだと思います。
何か物がなくるとすぐに「あんたが取ったやろ」と嫁の仕業にします。
たとえ無くなったものが見つかっても謝ることは一切しません。
正直、この辺りから「頭ちょっとおかしいのでは?」と思うようになりました。
嫁には本当に苦労をかけています。
といって、母を一人置いて出ていくわけにもいきませんでした。
少々足腰が不自由になり始めていたこともありますし、何より今まで苦労を掛けたという思いがありました。
私に唯一できるのは嫁を防御し、嫁に感謝することだけです。
いろいろな方に聞きましたが、嫁姑の間に入ろうなんて無理な話で、敵・味方、どっちかに入らければ余計こじれます。
つまるところボケ始めて気の強い母より、好きになりこんな環境をわかって嫁に来てくれた嫁の方が大事ということになります。
皆さんも嫁姑で何かあった際には絶対に嫁をかばうべきだと思います。
地域包括支援センター
ある日、地域の方から「介護支援も考えてみたら」といわれ調べてみたのが地域包括支援センターでした。
漠然と「親の面倒を見ている」ととらえていたものが「介護」という言葉に変わりました。
介護という言葉を聞いてからは話が早かったです。
介護で調べると色々と出てきます。
地域包括支援センターというところがまとめて色々と手続きも助けてくれそうで連絡してみました。
「市町村名 地域包括支援センター」で調べるとすぐにわかると思います。
介護について何か手立てはないか聞いてみると、まず要介護認定を取る必要があることがわかりました。
要介護認定
要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。
地域包括支援センターで申請を代行してくれました。
調査員という方が母の様子を見に来て、かかりつけ医の意見書をもらい、介護認定審査会の判断を待ちます。
体の状態:ひざがあまり上がらない。足首とひざの軟骨がすり減ってなくなっている。歩くと痛いが歩けないことはない。耳が遠く意思疎通が難しい。
頭の状態:まだらボケ。日にちや曜日はしっかりとわかり、外の人と話する際はキッチリしたころをいうが、家ではとんちんかんなことを言う場合がある。
チェックされる項目は大きく次の5つのようです。
- 身体機能・起居動作:生活する上で必要な基本動作をどの程度できるか
- 生活機能:「食事摂取」「排尿」「上衣の着脱」「外出頻度」など、日常生活に伴う行動ができるか
- 認知機能:意思の伝達ができるかどうか、短期記憶できるかどうか、自分がいる場所を答えられるかなど
- 精神・行動障害:過去1カ月で「社会生活を送る上で不適当な行動があったか」どんな様子だったか
- 社会生活への適応:薬の内服や金銭管理、買い物や簡単な調理といった社会生活を行う能力があるかどうか、家庭内や集団の中で適応できているか
詳しくは
「認定調査員テキスト」なるものがありました。
要介護認定区分
要介護認定はその人の状態を軽度から重度まで区分別けされています。
要支援の場合
自立 (非該当) |
歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態 |
要支援状態 | 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態 |
要介護状態 | 日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態 |
要介護の場合
要介護1 | 要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態 |
要介護2 | 要介護1の状態に加え、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態 |
要介護3 | 要介護2の状態と比較して、日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態 |
要介護4 | 要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態 |
要介護5 | 要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態 |
母が最初に認定を受けた時はまだ要支援という区分が無く、要介護1と認定してもらいました。
ケアマネージャーさんとのお付き合い
認定をもらえれば、ケアマネージャーさんを紹介してもらい介護支援の内容について話し合います。
認定後すぐにどこかの施設に行けるというわけではなく、ケアマネージャーさんにサービス利用計画を立ててもらうことからはじまります。
要介護1程度ではいきなり「施設に入れる」なんてことは無理で、デイサービスを利用する程度になります。
こちらとしてはできるだけ母を家に置いておきたくないのでできるだけデイサービスを利用してもらいたいわけですが、母からすればいきなり介護老人扱いされて知らないところへ放り出されるようで抵抗があります。
「家にいてテレビばかり見ていてもボケるだけやから。いろんな人と話ができるし体操などもあるし」と説得しました。
ケアマネージャーさんはこの道のプロ!
介護や介護する親がいる家庭は慣れておられますので、今までの経験を聞いたりすることができました。
”困っているのは自分たちの家庭だけではない”というのが心の支えにもなりました。
我が母親のように外向きは良く、家の中では・・・という場合、ことあるごとにケアマネージャーさんに連絡し伝える世にしました。
そうすることで、私たちが言っていることが嘘でなく、実際に家庭内で困ったことが起きているということを認識しておいてもらうことが次の介護認定の判定に響いてきます。
デイサービスに行くことについて
いきなり母親に「デイサービスに行け」といってもすごくハードルが高いです。
普通の人でもいきなり知らないところへ通えといわれると抵抗してしまいます。
しかも必然性は無いわけです。
お願いレベルです。
そこで、デイサービスの良いところを挙げて行きます。
まずはデイサービスといっても具体的には2種類あって、
デイサービス:自立した日常生活を送ることができるよう支援するサービス
デイケアサービス:医師の指示のもとに行われるリハビリ中心のサービス
となります。
デイケアはリハビリ中心というのが名目ですが、内容は1日の内30~50分程度のリハビリがあるだけで、あとはデイサービスと変わりません。
しかし、リハビリがあるというのは大きなアドバンテージです。
「リハビリもしてもらえるから行こう!」といえます。
これ以外にもデイサービス(デイケアサービスも含む)なら
- スタッフの方が親切に接してくれます。
- 入浴介助もあります。
- おやつの時間もあります。
- 同年代の方との交流もあります。
- お昼寝もできます。
- 様々なイベント(レクリエーション)もあります。
と利用する方には良いこともたくさんあります。
まずはカタログを取り寄せてもらい、いろいろなところを検討し選べる状態にします。
その上で、何軒か見学に行くことから始めます。
色々と文句は言いますが、どこの施設もスタッフの方が優しく接してくれますのでだんだんとその気になってもらえます。
「見学だけだから」といっていくことで、スタッフの方と仲良くなってもらい、行かないといけないような状況を醸し出します。
ここまでできれば後は介護スケジュールを決定して説得するのみです。
最初の2・3回のみお互い抵抗があるかもしれませんが、その後は学校と同じでルーチンワークとなり行くのが当たり前になります。
怪我・病気
歳をとると何の病気になってもおかしくありません。
足しげく病院通いをしていても急に心筋梗塞などを引き起こします。
あまり勝手な判断をせず何かあればすぐに病院というのが常套手段です。
母親は88歳くらいの時に心筋梗塞で心臓のバイパス手術をしました。
もう駄目だろうと思っていたら見事に回復。
人の寿命はわからないものです。
それ以上に今の医学の発達は恐ろしいものがあります。
じっとしておくと足が固まるために手術後数日でリハビリです。
このまま施設かと思いきや多少以前より不自由にはなりましたが歩けるようになりました。
ケアマネージャーさんの提案により、介護認定の見直しで要介護2にアップ。
使える介護ケアが増えます。
その後、外で転んで大腿骨骨折。
この時ももう歩けないかと思いきや、1ヶ月ほどで回復しました。
その後、リハビリ専門の病院で3か月程度入院してもらい、家族としてはこのまま転院で入院が続くかと思っていましたが、しっかりと家に帰ってきました。
歩くのに痛みを感じ50mほどしか歩けなくなり、再度介護認定の見直しで要介護3にアップ。
入退院を繰り返すうちにだんだんと要領がわかってきます。
必要な服やパジャマ、身のまわりのもの、持って行っても使わないものなど。
ショートステイ・ミドルステイ
要介護3になると晴れてショートステイやミドルステイが利用できるようになります。
デイサービスも週5日利用です。
ショートステイとは、在宅介護中の高齢者の心身の状況や病状に合わせて、介護する方の介護負担軽減や一時的に介護ができない場合の介護をする目的で、短期間施設に入所してもらい日常生活全般の介護を受けるサービスのことです。
1泊2日~3泊4日程度になります。長くて1週間程度。
ミドルステイとは、ショートステイの長いバージョンで約1ヶ月~3か月になります。
施設によるかと思いますが、この辺り(土地柄)でミドルステイできる先は3ヶ月が限度のようです。
ケアマネージャーさんと話し合い、要介護3で受けれる目いっぱいのところを目指します。
結果、3ヶ月のミドルステイと3か月の自宅介護でデイサービス利用を繰り返し、3ヶ月の自宅介護の中でも月に1回のショートステイを挟むことまで出来ました。
ミドルステイの期間中は毎月約11万円の支出になります。
(市域や施設により違うと思われます)
それ以外の月はほぼほぼ介護保険の範囲内で賄えています。
家で何を介護しているのか?と聞かれれば実際たいしたことはしていません。
挙げ膳据え膳、薬の管理、病院や各施設の連絡や手配くらいでしょうか。
ただ最初にも書きましたが、家族の中での口の悪さが災いし、母がいるだけで空気が重くなります。
夜中に頻繁にトイレに行くのですが、廊下を杖を突いて歩く音が気になり起きたり、大音量でテレビをつけられたり、こちらも母のやることなすこと気に障るようになっています。
介護というようなことはしていませんが、介護疲れみたいなものなのだと思います。
ミドルステイやショートステイに行ってもらうことでこちらの気が休まります。
今はこれが一番良いのだと思います。
下の世話までしないと行けなくなれば老人ホームなどの施設に行ってもらわなくてはならなくなると思います。